『ケルトの植物』 読みどころ4 |
ケルトの一年は太陽の運行によって定められた4つの基分点、すなわち夏至、冬至、春分、秋分からなり、さらに重要だったのが4つの基分点のちょうど真ん中にあるクロスクォーターデイ(四分点)でした。四分点は月のリズムに組み入れられていたため、毎年移動するのでした。すなわち一年は八輻(スポーク)の車輪にたとえられ、4つの主要な輻は太陽に、そのあいだの4つは月に属します。輻のあいだの時間帯をケルトは、さまざまな神々によって支配され、異なった質と規則性を示す王国として感じていました。これらの時間帯の区切りの祝日が基分点と四分点で、秩序も掟もない無人地帯でした。
著者によると、流布している「ケルトの木の暦」や「ケルトのホロスコープ」はかなりのでっちあげで、よく知られているロバート・グレイブスの木の暦のもととなっているのは、長いあいだ口伝えされてきた古代アイルランドの木のアルファベット、Beth-Louis-Nionであり、これをも著者は具体的に例を挙げて反駁しています。ようするにこうした固定した木の暦の体系があったのではなく、「私たちに本物の木の暦を教えてくれるのは、木自身なのだ。その声を聞くために、時間はたっぷりかけなければならない。私たちをつくられた体系にはめこんで、歓喜にあふれる有情の自然からそらしてしまう祭司や預言者はいらない。」だそうです。...でも以前もっていた「ケルトの木の暦」の絵本はとても単純でロマンチックかつ魅力だったのですが!!
By 手塚 千史