北海道だより -ふるさとの樹- |
真夏に鮮やかに咲いていた紫陽花も色が抜けて、
また違った臈長けた美しさを見せています。
9月も終わるころ、市の「名木ウォッチング」ツアーに参加しました。
市が指定した保存樹木をバスで巡る見学会です。
石狩川の堤防を背景に、広々とした田園風景がひろがります。
最初の名木は「クロマツ」、北海道には自生しない木です。
「北海道にない木を植えると、目印になったのでしょうね」と、講師の先生。
クロマツの木の向かいに「まちむら農場」の看板が立っていました。ここの牛乳やバターは美味しいのですよ。
市内の農地の多くは、明治期に「内地」から開拓に入った人たちの手で切り開かれたものです。開拓者たちは、屋敷の周りには故郷の木を好んで植えたようです。杉や松がそうです。
北海道に自生する「マツ」、エゾマツやトドマツはマツ科ですがマツ属(Pinus)ではありません。
市内でも最大級の開拓団「北越殖民社」の社長であった関矢家の屋敷林には、故郷新潟から持ってきた種を蒔いて育ったというケヤキの大木がありました。
今回の名木ウォッチングは、むしろ北海道には珍しい、植栽の木が多かったです。ユリノキやメタセコイアなど、私には珍しというより親しく懐かしい木でした。
そんなわけで帰宅後、ふと故郷の秋を偲んで、オスマントゥスの精油を焚いてみたのでした。
by ろび