香りの旅 コルシカ編 レポートその3 |
レモンバーベナの蒸留
今日はいよいよ蒸留を見ます。小型の蒸留器でいままさにレモンバーベナを蒸留するところです。女性と男性と組んで、前の蒸留の残渣から掻きだし、レモンバーベナを詰め、蒸留を始めました。
どうもドイツ語で話しているみたいです。あたり一面にいいにおいが漂い始めました。ときどき少量採取して、香りを確かめながらの作業のようでした。少量の手作業で高価な精油です。
ランチはこの農園が用意してくれたキッシュ、トマトとモッツアレラのサラダ、パン、デザートしてフルーツとコルシカチーズにジャムと蜂蜜をつけて。美味しかった!
カンカン照りのなかでシエスタ後、セミナー開始。
ちょうどヘリクリサムの蒸留が始まるとのことで、駆けつけました。
マキアで採れた最後のヘリクリサムを私たちのためにとっておいてくれたそうです。
マキアはコルシカ特有の芳香植物の自生群落で、ナポレオンが故郷に帰るとき、船の上からもう匂ったといいます。この農場で栽培もしているのですが、マキアの芳香植物は品質が特別で、これを優先しています。その土地の所有者を探しだして許可を取るのが非常に大変だそうです。乾燥したヘリクリサムを釜に詰めたそばで農場の犬が寝そべり、ヘリクリサム犬だねと笑いました。慣れていると見え、とても気持ちよさそうでした。
蒸留した精油の受け器は3段階で、とくにこの精油はヒドロラーテとの分離が困難なので、こうした装置を考案したそうです。
最初の20分でほとんどすべての精油が得られますが、炎症抑制、内出血とリンパの流れに効くItalidonは2,3時間後にやっと溶出するので、ここでは時間をかけ、Italidonを高濃度に含む精油を生産しています。普通は短時間蒸留の精油をヘリクリサム精油として販売していますが、Italidon含有のヘリクリサムはとても高価になるといいます。違いがやっと分かりました。
最後に待っていたブレンド実習です。バスソルトを作って実際に足浴しようとM講師は事前に言って、それ用のボールを見せてくれましたが、さすがにその時間はなく、皆でソルトをブレンドしました。精油カードをそれぞれが引いて、それを使いたかったのですが、各人がその瞬間に必要とする精油だとの説明がありました。2グループに分かれ、コルシカをイメージしたシェイクローションのブレンドを作りました。M先生の助言もあってどのグループもぴったりのいい香りに仕上がりました。
By Handhuegel